水曜日, 11月 29, 2023

ポガチャルのポジションの意味


悠久の時を経て、なろうシリーズ第3弾?笑

カンチェやコンタドールの編のような

解像度の低い解説ではなく、明確ポガチャルの

バイクセッティングのやりたいことを全部書く!


どうせ長くなるので結論から書く笑


結論を書くとめちゃくちゃ前乗りしようとしている。

ロードバイクをTTバイクのようなポジションで

乗りたいという思惑がビンビンに出ているセッティングなのだ!

ハンドル幅も37mmと狭く、ステム長も125mmと

オールラウンダーにしてはちと長い。


※2022年はステム長は130mmだったが

その時フレームがV3RSでリーチが現在の

V4RSよりも

短かったのでステムが長かった、

ハンドルがエンヴィではなかったのもある。


方向性はアダム・ハンセンとかなり近いのだが

大きく違う箇所二つがあって、それがクランク長とクリート位置だ。



クランク165mmは特別短いわけじゃない


最近、今年のさいたまクリテリウム2023で

ポガチャルのバイクのクランク長が

165mmに変更されていた

シクロワイヤードが報じていて話題になっていた。


2022年172.5mm→2023年170mm→2023年さいたまクリテで165mmである…


ポガチャルの身長は176cmなので

それを考えると相当短い…と思っていたが

スーパーオールラウンダースプリンターな

ワウト・ファンアールトは身長186cmにも関わらず

172.5mmのクランクを使用している。


単純計算で、ワウトの身長186引くことのクランク長の172.5をすると

13.5という数値が出る。


同じようにポガチャルの身長176引くクランク長165をすると

11という数値が出る。数字が大きいほど

身長との差が大きいクランク長ということになる。

ざっくりとした計算だが、ポガチャルのクランク長みじけーー!と思ったら

ワウトの方が短いクランク長を使っていた笑

(しかもシクロクロスでは170mmを使っている)


これ、ワウトに近い身長の

マチュー・ファンデルプール(184cm)も

ロードでは172.5mmだ。


2人とも大柄なスプリンターなのに…

脚の長さは人それぞれなのに一概に身長で

割り出せることではないのだが

それでも平均的なアジア人よりは明らかに脚は長いわけで…


今はどうかわからないが全盛期のクリス・フルームは身長185cmでクランク長175mm

185引く175で10なので身長で見ればポガチャルと同じくらい

短いクランクを使っていることになる。


とはいえフルームはかなり脚が長いので

実際にはもっと短いクランクを使っている

ことになるのかも知れない。



短いクランクのメリット


クランクが短いとケイデンスがあがる

短くなった分、ペダルの旋回が小さくなり脚は疲れにくく、

脚の動きが小さくなるので怪我のリスクが下がる。


上死点での脚の詰まりが解消され、ペダリングがスムーズになる

これもケイデンス上昇に繋がる。


下死点の高さがクランクが短くなった分浅くなるので

その分サドルの高さを上げることが出来る。

なのでカッコよくなる(一番のメリットか?笑)

サドルを上げることで更に上死点での脚の詰まりに余裕が出来る。


ポガチャルとフルームに共通していることは高ケイデンスの走りをすることだろう。

特に登坂でのアタック時は2人ともダンシングでも

かなりの高ケイデンスで駆け上がっていく

特にフルームのアタックは超高ケイデンス。

(チェーンリングが楕円、オーシンメトリックなのも大きい)


体格に対して短いクランクを選ぶという

時点で基本的には

ケイデンスを上げたいと言う思惑がある。

引き足の意識がメインのペダリングなのではないかと。



長いクランクのメリット


単純に、てこの原理で長い方がパワーを掛けやすい。

短いクランクに対して上死点から下死点に

かけての動きに関してはそのメリットがある。

反対に下死点から上死点にかけての動きには

デメリットしかない。


身長に対して長いクランクを使ってる選手といえば

ナイロ・キンタナだろうか。

彼は身長167cmでクランク長が172.5mm

低身長の人間が長いクランクを使うことで

陥ってしまいがちなことがあるが

それは膝とペダルの位置関係が悪くなってしまうことだ。


クランク3時の位置でペダルが膝よりも前に出てしまう。

そうするとペダルを踏む側の足から荷重が逃げて

サドルや反対側の引き足に向かってしまう。

引き足で補おうとすればサドルに、

サドルから荷重を抜こうとすれば引き足側に

荷重が掛かってしまう。

バックを踏んでいるという状態だ。


だから、膝のお皿の内側がペダル軸上にあるか

それより前の位置でないと、荷重が逃げてしまう。


どの選手も異様なほどサドルの前側に乗るのは

これが理由だ。

ショートノーズの短いサドルが増えてきたのも

ルールに引っかからずにサドルを前置きしやすいようにだ。



爪先寄りのクリート位置のメリット


キンタナがなぜ長いクランク長でも平気なのかといえば

脚の長さが日本人よりは長いのもあるが

クリートの位置がつま先寄りだからだろう。


爪先よりの位置だと、足を置く位置が後ろに下がるので、

膝の位置関係の問題はある程度クリアできる。


身長の割に異様にサドル位置が高いのもそのせいだろう。

爪先寄りにクリートがあると下死点での膝の角度に

余裕が生まれるのでサドルを上げられる…

と言うと聞こえは良いが実際はそうしないと

上死点で脚が詰まってしまうから

上げなければならない。


プロは柔軟性があるから平気とかいうが

平気ならもっとサドルが低い選手が増えないとおかしいし

それに対してメリットが見当たらない。

股や尻が痛くなるのはサドル前下がりで回避出来るのに。


そもそも、最近のキンタナは以前よりもかなり

前乗り具合が強まっているので

ポジションをあちこち弄ってると思われ

クランク長も変えている可能性がある。


彼のエアロードのシートポスト出過ぎじゃない?

クランク172.5mmであんなに出せるか??笑


ちなみにクリート位置といえばポガチャルも

つま先寄りである。

といってもDMTのシューズは

クリート穴の位置に多様性がないシューズなのでつま先寄りに置かないと丁度良い位置に付けられないのかもしれないが…


うーーん、明らかに基本的な位置よりは、ちょい前のように見えるなあ

(しかもまだクランク長172.5mmの時点で)


母指球の半分から後ろ側くらいにペダル軸くるのが

基本のクリート位置だけれども

これは母指球の半分から前側に付いているように見える。

どうみても踵寄りではないのだ。


走行中のシーンでも、

ぱっと横から見て踵に寄ってるなと

思えないなら踵寄りではない。


踵寄りの例、全盛期のテイラー・フィニー

ぱっと見で踵寄りなのが分かる。

当時、足の指が長いだけとか当ブログで書いていたが

どう見ても踵寄りである。


異常なほど踵寄りな例w


普通を強いられる若かりし頃のアダム・ハンセン


当時の流行りのポジションと今の流行りのポジションが

全然違う。(これストラーデビアンケ走ってるのか?)

といってもこれは完全に流してるけど

高く、遠くのポジションなのは分かる。


これまた10年ほど前の話になってしまうが

ウィギンスなんかはぱっと見で異常なほど

クリートの位置が前だった。

(指で踏んでるのか?笑)


ウィギンスのロードバイクのポジションは

やたら詰まっていて乗りづらそう。近く低い笑

骨盤を立ててもカクっと折れ曲がって背中だけ

真っ直ぐになるのが特徴。


TTポジションが伸び伸び快適そうに見えしまう笑

TTポジションの流行りは今も昔も大きく変わってるわけでは

ないような気がする。


ロードバイクはどんどんTTポジションに

近づいていっている感じだ。

こうしてみると、ハンセンさんの先見の目はすごい

彼はTTバイクの様にロードバイクに乗りたいと

インタビューでも語っていた。

長いクランクとクリート位置以外は

ほぼ彼のポジションが今のスタンダードだ。


なんだか話が脱線してしまったが、ポジション今昔で

まとめたら面白そうだな。


あっと、話題を戻す前に引退する寸前の

2016年のウィギンスを見て!


全然違う!なんかカンチェラーラみたい笑

サドルが上がったことにより骨盤が前傾!

クリート位置もスタンダードな位置に変わっている。

(楕円をやめたからか?)


自転車乗りはポジションで時代の移り変わりを感じるのだ。



ブラケットレバーを傾ける意味


さて、話を現代に戻して…

いまやあらゆる若手選手がコレをやっているが

なんの意味があるのかというと

まず簡単な理由は手を置く位置が狭まるので

エアロ効果がある。


狭いハンドルがやたら流行っているのも

それが理由。

ハンドル幅はまじですごいエアロ効果がある

めっちゃ速くなるので試してみてほしい!

時代がハンセンさんに追いついたな。


そして、もう一つ大切な意味があって…


まず腕をまっすぐ前に出す、

そしてこぶしを握る、縦でも横でも良い

その状態で握るのを辞めて脱力すると

手首の角度が斜めにならないだろうか?


それが傾けたブラケットレバーと同じ角度である。


人間のニュートラルな手首の角度に

ブラケットの角度を合わせた方が手が疲れにくいのではないか?

という考え方だ。


実際そんなに変わるか?と言われると微妙だが

手が小さい人は傾けた方が握りやすいのでは

ないかなと思う。


ルックスの話をすると、完全にクワガタか

バッファローである。


様々な選手のブラケットレバーの角度などを見てみたが

今はブラケットレバーしゃくってる選手誰もいないのね笑

昔はみんなハンドルにツノが生えたみたいに

なっていたのに…


まあハンドルを強く引いて居ない証拠かな。



大前乗り次代到来、絶対正義サドル前置き前下がり


前から来てるじゃん!と言われそうだが

自分が海外のレースを視聴しまくっていた

10年くらい前とは比較にならないレベルなのである笑


あらゆる選手が、サドルを前下がりにしている

しかもルール限界の値まで前下がりにしている選手がチラホラ居る。

もちろんポガチャルもそうだ笑

それも目一杯サドルを前に出して…


声を大にして言う


これ俺がロードバイク乗り始めた頃にやってたポジションじゃん!!

クリート位置もつま先で、

ブラケットを内側に傾けるのもやってたぞ笑

しかもハンドル幅は38cm

ステム130mm!プラマイ17度

俺2012年の時点で未来に生きてたわww



まとめ、時代が俺に追いついた!


ポガチャルのポジションに近づけてみる


手っ取り早く実行できるのは

サドル前置き前下がりだ、これはどんな選手でもやっているし

何より即効性があり、シンプルに速い。

とくに引き足の感覚強めで走るタイプの人は

効果は絶大でかなりケイデンスが上がるはずだ。


次に簡単なのは、クリート位置を前方にずらして

その分サドルの高さを上げる。

引き足強めの感覚でペダリングをしている人は

クリート位置は一番前で良いんじゃないか

とすら思っているのだが笑

自分はそうしているが、かなり引き足がやりやすくなる。


爪先にクリートが寄っている分、下死点で余裕が出来るので

その分サドルを上げられるので

身長が低い人におすすめだ、上視点での脚の詰まりが

解消されるのでペダリングがスムーズになる。


余談だが新城選手が52サイズのリアクトに乗れてたのは

このクリート位置のおかげだぞ!


最後にクランク長だが経済的な意味でこれが一番ハードルが高い笑 

身長とクランク長を3桁で単純に引く計算で

10〜13の数値が取れる長さが

おすすめだが

これも低身長の人には厳しい笑


筆者は165cmなので155mmのクランクが

必要になってしまう

シマノ105ですら最小のクランク長は160mm


155mmは国内の流通で命を預けられそうなメーカーはrotorか

ディズナのラクランクくらいで

rotorに至ってはクランクとチェーンリングを揃えると

余裕でデュラのクランクより高くなってしまうという…

おいどうなってんだ責任者出てこい物売るってレベルじゃねーぞ!


高剛性じゃなきゃいやじゃ!カッコよくなきゃいやじゃ!

となるとrotorしか無いわけで

はよ円安終わってくれと祈るしか無いのであった笑


それかポガチャルに感化されて

シマノが140mmくらいまでロードのクランクを

出せばいいんじゃないですかね。


出せ。


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